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レポート
発掘された日本列島2016
【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
注目の発掘成果が今年もずらり
地域固有の歴史や文化を物語る、数々の埋蔵文化財。全国的に注目された発掘調査の成果を紹介する恒例の展覧会が、今年も江戸東京博物館から始まりました。
熊本県山都町「北中島西原遺跡」
福岡市「岸田遺跡」
神奈川県海老名市「河原口坊中遺跡」
山口県岩国市「中津居館跡」
東京都港区「旗本花房家屋敷跡遺跡」
岐阜県可児市「大萱古窯跡群」
東京都日野市「豊田旧名主家ビール工場跡」
特集1「復興のための文化力―東日本大震災の復興と埋蔵文化財の保護―」
このコーナーでのご紹介も5回目になる「発掘された日本列島」展(2012年2013年2014年2015年)。日本では発掘調査が毎年約8,000件も行われていますが、その調査結果が一般の目に触れる機会もなかなかない事もあり、注目の成果を網羅的に紹介する企画です。

いつも入口近くでは目を引く展示が楽しませてくれますが、今回は巨大な縄文土器のピラミッドが登場。六反田南遺跡(新潟県糸魚川市)から見つかったもので、美しい文様が特徴的です。


六反田南遺跡

星ヶ塔黒曜石原産地遺跡(長野県下諏訪町)は、縄文時代に黒曜石が採掘された場所。ここで産出された黒曜石は、東北から東海・北陸まで広範囲で使われた事も分かっています。

展示エリアの近くには、実際に触れる黒曜石も。割ると縁辺が鋭い黒曜石は、世界中で石器の材料として使われています。


星ヶ塔黒曜石原産地遺跡

甕の中に入った膨大な銭貨は、中津居館跡(山口県岩国市)で見つかったもの。13~14世紀頃の遺跡で、銭に無造作に入っていた事から、貯蓄のためと思われています。推定4~5万枚、現在の貨幣価値では400~500万円程の「へそくり」だったのでしょうか。

同じく中世の遺跡としては、伏見城跡(京都市)も注目。秀吉が造ったものの早期に地震で倒壊し、幻とされていた初期の伏見城(別名・指月城)について、発掘調査で石垣と堀を発見。城を彩った金箔の瓦も見つかっています。


中津居館跡、伏見城跡

いつもと同様に、会場後半には特集展示が。特集1は東日本大震災の被災地である岩手・宮城・福島での発掘調査として、7遺跡が紹介されます。

特集2は過去に起こった災害痕跡と、そこからの復興の歴史に焦点をあてた新企画です。12万年前に現在の宮崎県で起こった姶良カルデラの爆発は、日本列島で起こった最大規模の自然災害。その土地から見つかった石器は、災害を乗り越えた人々の営みを示しています。

人々の逞しさが実感できる遺跡ですが、長い時間軸で考えた時にその復興は正しい判断だったのか、検証の材料としても意義深い試みです。


特集1「復興のための文化力―東日本大震災の復興と埋蔵文化財の保護―」、特集2「復興の歴史を掘る」

今回も東京を皮切りに、滋賀、秋田、高知、福岡と全国を巡回。それぞれの会場で「地域展」も開催されます。各会場とスケジュールはこちらです。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年6月3日 ]

発掘された日本列島2016 新発見考古速報発掘された日本列島2016 新発見考古速報

文化庁 (編集)

共同通信社
¥ 1,944


■発掘された日本列島2016 に関するツイート


 
会場
会期
2016年6月4日(土)~7月24日(日)
会期終了
開館時間
9:30~17:30
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
7月18日(月)を除く毎週月曜日、7月19日(火)
住所
東京都墨田区横網1-4-1
電話 03-3626-9974
公式サイト http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
料金
一般 600円(480円)/大学生・専門学校生 480円(380円)/中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円(240円)/中学生(都内)・小学生以下 無料
*(  )内は20人以上の団体料金。消費税込。
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