IM
レポート
デトロイト美術館展 ─ 大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち
上野の森美術館 | 東京都
月曜・火曜は全作品撮影可
市の財政破綻から、所蔵作品が売却される危機に追い込まれたデトロイト美術館。作品を守ったのは国内外からの協力、そしてデトロイト市民の声でした。時代の波に翻弄された名画から、選りすぐりの52点が上野の森美術館で紹介されています。
(左から)アンリ・ジェルヴェクス《パリのカフェにて》1877年 / カロリュス=デュラン《喜び楽しむ人々》1870年
フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》1887年
フェリックス・ヴァロットン《膝にガウンをまとって立つ裸婦》1904年
(左から)パウラ・モーダーゾーン=ベッカー《年老いた農婦》1905年頃 / マックス・ベヒシュタイン《木陰にて》1911年
(左から)マックス・ベックマン《オリーヴ色と茶色の自画像》1945年 / マックス・ベックマン《倒れた蝋燭のある静物》1929年
(左から)アンリ・マティス《窓》1916年 / アンリ・マティス《コーヒータイム》1916年
(左から)パブロ・ピカソ《読書する女性》1938年 / パブロ・ピカソ《座る女性》1960年
アメディオ・モディリアーニ《男の肖像》1916年
1885年に創立されたデトロイト美術館。自動車業界の有力者らの資金援助を通じて多くの名作を収集してきました。

古代エジプトから現代美術まで幅広いコレクションを誇りますが、本展では中核といえる印象派、ポスト印象派、20世紀のフランス、ドイツの名画を展示しています。

4章構成の会場は、第1章「印象派」から。1874年の第1回展に出展されたモネ《印象・日の出》から、批評家がグループを揶揄して名付けた印象派ですが、絵画史に大きな足跡を残しました。

紹介されているのはピサロ、ドガ、モネなど。中でもルノワールの3点は目を引きます。


第1章「印象派」

続いてセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラなどの第2章「ポスト印象派」。印象派とは違ってグループでの行動はしていませんが、それぞれが独自の解釈で、革新的だった印象派のさらなる先に取り組みました。

展覧会のメインビジュアルになっているゴッホの自画像は、ここで登場します。米国の公共美術館に収められた初めてのゴッホ作品です。ゴッホは自画像が多く、特に1887年には多数の自画像を描いていますが、これもそのひとつ。パリ在住、34歳の頃の自画像です。


第2章「ポスト印象派」

2階に進んで、第3章は「20世紀のドイツ絵画」。キルヒナーやカンディンスキーなど「ドイツ表現主義」とされる作品ですが、彼らも特定の芸術観に基づいた活動を行っていたわけではありません。

あえて共通点を探せば、既成のアカデミズムに対する反発や、内面の表現を追及する志向など。当然ながら写実的なスタイルからは離れますが、後に政権を握ったナチスは、これらを「退廃芸術」として糾弾します。


第3章「20世紀のドイツ絵画」

最後の第4章が「20世紀のフランス絵画」。国際化が進んだパリには、キュビスムを牽引したピカソ(スペイン出身)、20世紀初頭の最も優れた肖像画家といえるモディリアーニ(イタリア出身)など、世界各国から才気溢れる芸術家たちが集いました。

ここで紹介されているマティスの《窓》も、米国の公共美術館に収められた初めてのマティス作品です。ゴッホ《自画像》と同じ1922年にデトロイト美術館の所蔵作品となりました。


第4章「20世紀のフランス絵画」

本展はなんと、全作品撮影が可能。デトロイト美術館では多くのギャラリーでは来館者による写真撮影が許可されている事にちなんだもので、東京展では月曜日と火曜日のみ撮影が可能です。欧米の美術館は撮影可が多いですが、日本の大型美術展としてはかなり珍しい試み。ご都合があえば、月・火曜日にどうぞ。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年10月6日 ]

デトロイト美術館の奇跡デトロイト美術館の奇跡

原田 マハ (著)

新潮社
¥ 1,296


■デトロイト美術館展 に関するツイート


 
会場
会期
2016年10月7日(金)~2017年1月21日(土)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし展示によって異なる)
休館日
10月21日(金)
住所
東京都台東区上野公園1-2
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://www.detroit2016.com/
料金
一般 1,600(1,400)円/高校・大学生 1,200(1,000)円/小・中学生 600(500)円
※()内は20名以上の団体料金及び前売り料金
※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料。(要証明)
展覧会詳細 デトロイト美術館展 ─大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち 詳細情報
おすすめレポート
ニュース
ご招待券プレゼント
学芸員募集
展覧会ランキング
おすすめコンテンツ