開館10周年記念・第38回企画展

    刀剣 三重の刀とその刀工

    三重県総合博物館(MieMu) | 三重県

    刀剣は、かつて「武士の魂」とまで称され、武器としての役割はもちろん、日本の文化とも深く関わってきました。本展覧会では、三重を代表する刀工、桑名の千子村正の作品をはじめ、鍵屋の辻(伊賀市)の仇討ちで立ち回った荒木又右衛門の所用の刀など、三重県ゆかりの刀剣59振りを中心に、全69振りの刀剣を展示します。刀剣の美と技術をご堪能ください。 ※会期中に展示替えを行います。 前期展示:10月5日(土)~11月4日(月・振休) 後期展示:11月6日(水)~12月1日(日) <プロローグ 映像/刀を作る> 現在、新たに美術刀剣類を作成する場合、文化庁の研修を修了している必要があります。三重県内では、この資格をもった刀鍛冶(刀匠)は角谷健一郎さんただ1人です。角谷さんの刀剣作成の過程を、実物の材料や道具とともに映像で紹介します。 <第1章  歴史に見る刀剣> 古墳時代の墳墓から出土した副葬品の大刀や、日本三大仇討ちとして有名な江戸時代の鍵屋の辻の決闘で荒木又右衛門が使用した刀を中心に、刀剣の歴史を紹介します。仇討ちの様子を描いた浮世絵や、同じく日本三大仇討として有名な忠臣蔵の題材となった討ち入り事件で主要な役割を果たした大石内蔵助の所用の刀、明治維新以後の政府が発した廃刀令が記載された公文書なども展示します。 <第2章 三重の刀剣と刀工> 南北朝時代の終わりごろ、現在の三重県桑名市に本拠を構えた村正の千子派に始まる一門の刀づくりはその後幕末まで続きます。江戸時代になると、県内各地で刀づくりは盛んに行われました。中でも田丸(度会郡玉城町)では、くらしの道具をつくる野鍛冶の仕事をしながら独学で鍛刀を修めた永貞が多くの優品を世に送り出しました。ここでは、三重で作られた刀の数々をその刀工とともに紹介します。 <第3章  三重にまつわる刀剣> 射和(松阪市射和町)の竹川竹斎は、農政や国学にも通じ地域の振興に尽力し、勝海舟とも深い交遊関係を有するなど、幕末から明治にかけて幅広く活躍した伊勢商人でした。その竹斎が当時高い評価を得ていた刀工大慶直胤に依頼して作成した刀や薙刀を紹介します。また、射和の伊佐和神社には、地元の森田忠左衛門尉が、奉納した刀剣なども伝わります。三重において作られた刀剣、また、三重の地に伝世した由緒ある刀剣などを紹介します。 <第4章  拵の美> 刀剣の外装のことを「拵」といいます。鞘、茎を入れる柄、鐔には、どれをとっても美術工芸的な要素がちりばめられています。ここでは特に三重を代表する拵である、「桑名鐔」や「亀山鐔」を紹介します。桑名鐔は、鋼鉄地に透かしや絵模様を低く浮き上がらせる薄肉彫りが施されていることが特徴です。一方、亀山鐔は、銅と鉛の合金である砂張を彫りこんだ模様に流し込む、流し込み象嵌が施されていることが特徴です。 <エピローグ 技術の継承と刀剣の未来> 我が国の伝統工芸の粋を結集し制作されたものが、刀剣でありその拵です。刀剣には長い年月をかけて培われた技術が、そして日本の歩みが詰まっています。 これらの刀剣は今、刀工ら担い手の激減により岐路に立たされています。エピローグでは刀剣の未来とその担い手について考えます。
    会期
    2024年10月5日(土)〜12月1日(日)
    もうすぐ終了[あと14日]
    開館時間
    9時から17時まで(最終入場は16時30分まで)
    料金
    <刀剣展>
    一般:1000(800)円、学生:600(480)円
    <基本展示(常設)とのセット券>
    一般:1200(960)円、学生:720(570)円
    ※高校生以下無料
    ※( )内は前売り券、20名以上の団体料金
    ※障害者手帳等の交付を受けている方およびその介護者1名は無料(ミライロIDも可)
    ※毎月第3日曜日は「家庭の日」でどなたでも団体料金でご覧いただけます
    休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
    観覧時間の目安 ~60分
    公式サイト https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300097.htm
    会場
    三重県総合博物館(MieMu)
    住所
    〒514-0061 三重県津市一身田上津部田3060
    059-228-2283
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