夏休みの親子・家族向け企画として実施される本展。三部構成で、華麗なプリンス&プリンセスの世界を紹介していきます。
第1部は「物語の中のプリンス&プリンセス」。19世紀から20世紀初頭まで各国で出版された挿絵本などが並びます。
プリンス&プリンセスのイメージはディズニーの印象が強いですが、シンデレラも、眠れる森の美女も、白雪姫も、ストーリーが成立したのはもちろんディズニーよりもずっと前。例えばシンデレラのドレスは青のイメージが強いですが、絵本によって千差万別。展示されているシンデレラの再現衣装は鮮やかな赤ですが、1858年の絵本の挿絵を元にしています。
会場は各所に物語のシーンをイメージしたディスプレイがあり、雰囲気抜群。間違い探しのクイズも用意されており、子どもと一緒に楽しめると思います。
第1部「物語の中のプリンス&プリンセス」第2部は「実在のプリンス&プリンセス」。ヴェルサイユ宮殿を建てたルイ14世の時代から、現代のプリンス&プリンセスまで紹介されます。
写真が無い時代は絵画や版画で表現されてきたプリンス&プリンセス。豪華な服飾や宝飾品は、権力の象徴でもあります。
資料とともに、会場では楽しいエピソードも紹介。ヴィクトリア女王(エリザベス女王の高祖母=ひいひいおばあさん)は18歳で即位。見初めた男性に自らプロポーズする肉食系プリンセスでした。
記憶に新しいのが、ダイアナ妃。チャーミングな容姿で世界中から愛されましたが、チャールズ皇太子と離婚した後、わずか1年で交通事故死。まさに「永遠のプリンセス」になってしまいました。
第2部「実在のプリンス&プリンセス」第3部は「和の雅の世界」。平安時代から続く、日本の宮廷文化。日本最古の物語といわれる竹取物語に基づく「かぐや姫」の紹介のほか、束帯と五衣唐衣裳(十二単)の衣裳も特別に展示されています。
会場の外にもお楽しみが。プリンス&プリンセスの衣装を着て撮影できるコーナーが設けられました。自慢の1枚が撮影できたら、ぜひSNSで拡散してください。
第3部「和の雅の世界」と、会場外の撮影コーナー夏休みにピッタリの楽しい企画。子ども連れはもちろん、カップルでも楽しめると思います。いつものように常設展示では自慢の西洋名画がずらり。レオナルド・ダ・ヴィンチの真筆という説も強い《タヴォラ・ドーリア》も展示中です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年7月15日 ]※明記のない作品は全て「かわたまさなおコレクション」
■東京富士美術館 プリンス&プリンセス に関するツイート