猪子寿之氏が率いるチームラボ。各分野のスペシャリストで構成され、プロモーション映像やアート作品、ウェブやアプリなど、幅広く活動しています。
これまでに台湾や米国などで大規模な個展を開催していますが、日本では初めて。デジタルアート作品を紹介する「踊る!アート展」と、デジタルテクノロジーを使った知育空間「学ぶ!未来の遊園地」の2分野で、計15点の作品が紹介されています。
会場前半は「踊る!アート展」の作品から。最初の作品は《花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に – Tokyo》です。東京に生息している花々がモチーフ。立ち止まると足元から花が咲いてくるなど、鑑賞者のふるまいに応じて変化します。
《花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に – Tokyo》書家の紫舟さんが手がけた書を立体的に構築した《生命は生命の力で生きている》、さらに新しい解釈で作ったのが《冷たい生命》。ゆったりと回転しながら変化していきます。
《花と屍 剝落 十二幅対》は、「自然と文明の、衝突、循環、共生」をテーマにした絵物語。神話の時代をモチーフに、人々が木々を切り、ヤマタノオロチが怒り、武士が戦い…と、壮大なドラマが縦位置12面のモニター映像で繰り広げられます。
《冷たい生命》、《花と屍 剝落 十二幅対》展覧会メインビジュアルにもなっている《Nirvana》は、高さ約5m、幅約20mの巨大なアニメーション作品。ピクセルアートとの親和性を指摘される伊藤若冲の升目画「鳥獣花木図屏風」や「樹花鳥獣図屏風」をモチーフに、動植物が動き出します。
「踊る!アート展」の最後は《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 ‒ Light in Dark》。真っ暗な展示室に、段状に配されたスクリーン。光の八咫烏が空間を飛び回りる、スピード感あふれる映像作品は、NYの個展でも大きな反響を呼びました。
《Nirvana》と《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 ‒ Light in Dark》「学ぶ!未来の遊園地」は大きな展示室に8つの作品。どれも子どもたちの人気を呼びそうです。
床面に映った○△□で遊べるのが《天才ケンケンパ》。うまく乗れると、床が美しく変化します。
《つながる!積み木列車》は、色を感知するセンサーを使った作品。同じ色の積み木を結ぶように線路や道路が繋がり、列車や車が走りだします。
上から落ちてくる象形文字に触れると、その文字がもつ世界が現れる《まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり》。それぞれの文字が持つ意味を、感覚的に理解できそうです。
「学ぶ!未来の遊園地」《3D お絵かきタウン》は、みんなの描いた絵でできていくまちです。
最初「紙」に、まちをつくるもの(クルマ、ビル、木など)の絵を自由に描き、スキャンして取り込むと、自分が描いたものが目の前のまちの中に出現。みんなが描いた絵で、まちがどんどんできあがっていきます。
《3D お絵かきタウン》高い技術のバックヤードと、美しく・楽しく魅せるフロントサイドが見事に融合した作品の数々。外で身体を動かすのがおっくうになる季節ですが、天気も気温も気にせずに、大人も子どもお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年11月28日 ]※ご好評により、2015年3月1日まで予定していた会期を5月10日まで延長することが決定しました。
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