スズキコージさんは1948年生まれ。絵は子どもの頃から得意で、高校卒業後は独学で制作。作品は歌舞伎町などの路上などで発表していました。
an・anのロゴを手掛けたデザイナーの堀内誠一氏に見込まれ、イラストレーターとしてデビュー。徐々に活躍の場を広げていきました。特に絵本は評価は高く、小学館絵画賞、絵本にっぽん賞など数多くの賞に輝いています。
その作品は、まさに天衣無縫。エネルギッシュな活動は絵本原画や挿絵、装丁などに留まらず、巨大な壁画から立体造形、また近年はライブペインティングも旺盛に展開しています。
本展は500点以上という膨大な作品を紹介する企画展。展示室前の廊下から、早くも作品が並びます。
展示室の前から作品が並びます展示室に入ると、圧巻の世界がさらに広がります。
入口近くの大型造形は、開幕前に公開で作られた「巨大妖精怪獣」。これは7月21日に行われるパレードで使われます。壁面を覆い尽くすように並ぶ絵画は一つ一つも巨大で、中には長さが8mを超える作品も。頭上にはバリで作ったろうけつ染めの腰巻。便座に着彩したユニークな作品まであります。
スズキコージさんの作品には不思議な動物が登場したり、神秘性が感じられたり、音楽に関連するモチーフが現れたりとさまざま。一貫しているのは、鮮やかな色彩と濃密な描写です。すべての作品は「描きたいものを描く」という自由なスタイルから生まれています。
圧巻のスズキコージ・ワールドスズキコージさんの展覧会は今までも何回か行われていますが、今回は過去最大規模の展覧会です。また、会期中のほぼ毎週末にはトーク、ライブ、パフォーマンスなどのイベントも開催されるというユニークな構成です。
本展への意気込みについて、開幕前日のスズキコージさんにお話を伺いました。
スズキコージさんのインタビュー初日の6月21日(土)にも、早速楽しいイベントが開催されました。美術館の庭には、期間限定オープンカフェ「ZUKINGCAFE」が登場(次回は7/19~21)。オープニングのライブ&パフォーマンスでは、スズキコージさん率いる「ZUKINGBAND」とブラスバンドの「三田村管打団?」が展示室内で演奏。スズキコージさんは顔出しパネルをライブで描き始めました。
「ZUKINGCAFE」と、オープニングのライブ&パフォーマンス何ごとにも縛られない自由な想像力こそ、現代に求められているのでは、という意図で企画された展覧会。スズキコージさん自身とその作品のパワーを丸ごと生け捕りにしたような、夏休みにぴったりの展覧会です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年6月20日 ]■スズキコージ に関するツイート