まだ戦後の混乱が残る1947年。テレビ放送はまだなく、庶民の憧れは銀幕に映し出される華やかな洋画でした。新しい時代に促されるように近代映画社から発刊されたのが、洋画専門の映画雑誌「SCREEN」です。
仙川駅近くの
東京アートミュージアムではじまった「SCREENを飾った歴代のハリウッドスター展」。同誌の創刊65周年を記念し、スターの特写スチール写真や直筆サイン、そして実際に撮影に使用された小道具や衣装などを展示する企画です。
歴代の表紙がずらり広報用リーフレットにも掲載されている同誌創刊号は、20世紀フォックスの看板スターだったタイロン・パワーが、その後の表紙はM.モンロー、E.テーラー、I.バーグマン、B.バルドーら、女優ばかり。唯一の例外は、そう、ジェームス・ディーンです。
直筆サインなどSCREEN誌は人気投票ともいえる「読者が選んだゴールデングランプリ」を毎年発表しています。
2006年度から4年連続でジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーが首位と安定した人気を誇っていますが、過去を遡ると14回首位を獲得しているのが、オードリー・ヘプバーン。ヘプバーンは同誌においても別格といえる存在で、最近では2006年にも首位を獲得するなど(ヘプバーンは93年の死去)、世代を超えて愛されています。
会場には特別展示として、ヘプバーンの直筆レターなども公開されています。
2階は新しめの俳優です65年の歴史を誇るSCREEN誌だけあり、映画ファンなら年代を超えて、必ずお目当ての俳優に出会えること間違いなし。あの俳優の若い頃の姿にびっくりするかもしれません。開館は木・金・土・日のみですので、お間違えのないように。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年2月17日 ]