ルノワールの作品を16点、モネの作品を19点も所蔵し、「印象派の美術館」としても有名な
ポーラ美術館ですが、企画展で印象派をテーマにするのは、実に7年ぶり。
ただ今回は、印象派の中心的な立場にあったルノワールとモネが印象派を離れて以降の「印象派の行方」にスポットを当てた企画展です。
冒頭のモネとルノワール展覧会は「1886年 ゆらぐ印象派」と「1900年以降 次世代のまなざし」の2部構成。第1部では、印象派グループを離れたルノワールとモネ、1886年に開かれた最後の印象派展で反響を呼んだスーラとシニャック、独自の探究の道に入ったセザンヌらを紹介。第2部ではモネとフォーヴィスム、ボナールとモネやルノワール、マティスとルノワール、ピカソとルノワールを比較するように取り上げ、画家同士の関係性に着目しています。
ボナールとモネ画家同士のエピソードは、ボナールのアトリエの壁には自作と交換して手に入れたルノワールによる裸婦が飾られていたり、シニャックは16歳でモネの個展を見て感動して面会を申し入れたりと、興味深いものばかり。知った上で作品を見ると、今までと違った印象で見えるかもしれません。
「印象派と次世代の画家たちの人物相関図」は、公式サイトにもPDFで掲載されています。展覧会に行く前ご覧いただくことをオススメします。
マティスとルノワール館内のレストラン「アレイ」では、今回も企画展にあわせた限定メニューをご用意。スープ「ブイヤベース アレイ風」+メインディッシュ「鶏のロースト」+デザート「クレームブリュレ」で、名付けて「ルノワール家のごちそう」です(2,730円)。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年2月10日 ]