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    レポート
    こども展 名画にみるこどもと画家の絆
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    パリでも大評判、話題の企画展
    モネ、ルノワール、ルソー、マティス、ピカソ…名だたる巨匠が描いた子どもの肖像画。森アーツセンターギャラリーに、愛情と温かみに溢れる作品87点が並びます。
    アンリ・ルソー《人形を抱く子ども》
    (左から)ルイ=アントワーヌ・バリー《芸術家の娘の肖像》 / ルイ・レオポルド・ボワイー《私の小さな兵士たち》
    (左から)クロード=マリー・デュビュッフ《デュビュッフ一家、1820年》 / サー・ローレンス・アルマ=タデマ《ダルーとその妻と娘》
    ウジェーヌ・カリエール《病気の子ども》
    (左から)ウジェーヌ・デュレンヌ《身だしなみ》 / シャルル・ブラン《ジェルメーヌ・ピショの肖像》
    (左から)アンリ・ディティエンヌ《娘、あるいはS嬢の肖像》 / シャルル・リュシアン・レアンドル《画家の姪、マドレーヌ・ルモワーヌの肖像(14ヶ月)》 /
    (左から)ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども》 / ベルト・モリゾ《犬を抱く娘》
    (左から)モーリス・ドニ《ボクシング》 / モーリス・ドニ《トランペットを吹くアコ》
    (左から)ジャン=テオドール・デュパ《レオン=ユベール・パタ・ディリエの肖像》 / ジュール=アルフレッド・ギース《母と子》
    「○○児童作品展」のように、子ども“が”描いた絵画展は良く開かれますが、本展は子ども“を”描いた絵画展。パリのオランジュリー美術館で2009年~2010年に開催された“Les enfants modèles”(モデルとなった子どもたち)展を、日本向けに再構成しました。

    パリの展覧会は、約20万人を動員。東京では20万人クラスの企画展は珍しくありませんが、パリではかなり優秀です。目の肥えたパリっ子たちからも多くの支持を集めた、折り紙つきの企画展といえるでしょう。


    序章は、近代的な視点で子どもの肖像を描き始めた先駆者的な画家の作品から

    展覧会は序章から始まって6章構成、1章「家族」は19世紀から20世紀末までの家族の肖像画です。

    この章には、家族に囲まれてリラックスした表情を見せる子どもの他に、病気の子どもを慈しむ母親を描いた作品も。19世紀において“子どもの夭逝”は、しばしば起こりうる悲劇でした。


    1章「家族」

    2章は「模範的な子どもたち」。1870年代~1914年、ベル・エポック(良き時代)の子どもの肖像画です。この時代は市民階級が定着し、子どもの地位も確立。子どもを描いた肖像画も黄金時代を迎えました。

    展覧会メインビジュアルは、アンリ・ルソー《人形を抱く子ども》。人形を抱いた少女はどっしりとした体型ながら、なぜか草原に浮いているかのようです。

    ルソーも7人の子どものうち、6人は幼い頃に亡くなっています。悲しい経験が、この絵の不思議な世界観を生んだのかもしれません。


    2章は「模範的な子どもたち」

    3章は「印象派」。モネ、ルノワール、ベルト・モリゾ(マネのモデルとしても知られる女性画家)、ジュリー・マネ(ベルト・モリゾの娘で、マネの姪)の作品が並びます。

    ルノワールの《ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども》は、8歳のジュリー・マネを描いた作品。くっきりとした輪郭は、印象派から離れ、アングルの影響を受けていた頃のルノワール作品にみられる特徴です。


    3章「印象派」

    4章は「ポスト印象派とナビ派」。セザンヌ、ヴュイヤール、ドニなどです。

    モーリス・ドニは、本展に6点出展(最多はピカソの7点です)。家族思いのドニは、自分の子どもたちの肖像を数多く描きました。

    ふざけてボクシングをする二人の子ども、大きな音を出そうといたずらっぽくトランペットを吹く息子…。どの作品からも、子どもたちの明るい声が聞こえてきそうです。


    4章「ポスト印象派とナビ派」

    展覧会はこの後も5章「フォーヴィスムとキュビスム」、6章「20世紀のレアリスト」と続き、ピカソやレオナール・フジタなどの作品も続々と登場します。

    人は誰でも、最初は子ども。見守って支える、温かな大人たち。愛情に満ち溢れ、ほっこりとした気分になる展覧会です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年4月18日 ]

    TOKYO美術館 2014-2015

     

    エイ出版社
    ¥ 1,026

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2014年4月19日(土)~6月29日(日)
    会期終了
    開館時間
    ※展覧会によって異なります。
    休館日
    会期中無休
    住所
    東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.ntv.co.jp/kodomo/
    料金
    一般 1,500(1,300)円/大学生 1,200(1,000)円/中高生 800(600)円
    ※()内は前売り料金および15名以上の団体料金
    ※小学生以下無料
    ※障害者手帳をお持ちの方と付添者1名までは半額
    展覧会詳細 こども展 詳細情報
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