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    レポート
    PARIS、パリ、巴里 ─ 日本人が描く 1900–1945
    アーティゾン美術館 | 東京都
    目指すは、芸術の都
    芸術の都、パリ。今でも芸術家にとってパリは憧れの場所ですが、明治維新後の日本では、洋画界をリードした黒田清輝がパリで学んだこともあり、西洋画の道を志す人はこぞってパリを目指しました。
    佐伯祐三《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》、佐伯祐三《テラスの広告》(左から)
    藤島武二《ヴェルサイユ風景》、黒田清輝《ブレハの少女》(左から)
    和田英作《読書》、浅井忠《読書》(左から) / 同じモデルを用いて描かれた作品
    山下新太郎《供物》、山下新太郎《読書》(左から) / 山下新太郎はルノワールから500フランで作品を買った
    第2室
    岡鹿之助《魚》、岡鹿之助《セーヌ河畔》(左から)
    辻永《春(パリ郊外)》、辻永《フォントネ=オ=ローズの春》(左から)
    右が、日本に残るルノワール作品の中で、最も早い時期に日本人が入手した《水浴の女》
    軽妙な解説でプレス内覧会を盛り上げたのは、ブリヂストン美術館学芸員の貝塚健さん
    1900年前後の日本人洋画家とパリの関係性に注目した本展は、第1室と第2室で開催。第1室は第一次世界大戦まで、第2室は第一次~第二次大戦までの絵画で、展示替えの1点を含み、計40作品を紹介します。


    第1室

    本展で紹介されている19人の画家の中で、藤田嗣治(レオナール・フジタ)と並んで最多の6作品が展示されているのが、佐伯祐三です。

    佐伯の作品を多数コレクションしている大阪市。大阪市立近代美術館建設準備室の《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》が、ブリヂストン美術館の《テラスの広告》と並んで展示されました。

    2つの油絵は、同じ場所を描いた作品。佐伯祐三は気に入った場所は何度も描く人でした。並んで展示されるのは2005年の練馬区立美術館「佐伯祐三展」以来です。


    佐伯祐三が6点並ぶ

    坂本繁二郎は、ブリヂストン美術館とは縁が深い人物。ブリヂストン創業者の石橋正二郎の小学校時代の図画の先生でした。

    坂本は夭折した同郷の青木繁の作品散逸を危惧して、石橋に作品収集を依頼し、石橋正二郎は師の薦めを快諾。これが後のブリヂストン美術館につながっていきました。

    坂本は人物画をあまり描いていませんが、パリ時代は例外。本展では3点の人物画も含め、5点が紹介されています。


    坂本繁二郎は5点

    本展で2作品が紹介されている山下新太郎は、ルノワールのアトリエを訪ねて、直接500フランで絵を買ったことがあります。

    その絵画が《水浴の女》。現在の日本にあるルノワール作品の中で、最も早い時期に日本人が入手したのがこの作品です。

    実はこの作品は現在、ブリヂストン美術館が所有。第4室で所蔵作品として展示されています。


    ルノワール《水浴の女》は第4室に

    本展は「テーマ展」ですが、これは「コレクション展」と「特別展」の中間のような位置付けです。規模は大きくないものの他館の作品も含めたテーマ展を見られるのと同時に、自慢の所蔵作品も鑑賞可能、しかも観覧料は安め(コレクション展と同額)と、いいことづくめ。ブリヂストン美術館ツウなら、この時期が実は狙い目です。(取材:2013年3月22日)

    佐伯祐三のパリ

    朝日 晃 (著), 野辺山 暁治 (著)

    新潮社
    ¥ 1,575

     
    会場
    会期
    2013年3月23日(土)~6月9日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00-18:00
    (祝日を除く毎週金曜日は20:00まで)

    【日時指定予約制】
    入館までの待ち時間の緩和、より快適な鑑賞環境をご提供するために、1日を以下の入館時間枠に区切り、その時間枠内にご入館頂きます。
    ①10:00-11:30  
    ②12:00-13:30  
    ③14:00-15:30 
    ④16:00-17:30
    ⑤金曜日のみ 18:00-19:30(ただし祝日を除く)

    ※指定した時間枠内であれば、いつでもご入館頂けます。
    ※入館後は閉館まで時間制限なくご鑑賞頂けます。入替制ではありません。
    ※各時間枠の開始時刻直後は混雑が予想され、入館をお待ち頂く場合があります。
    休館日
    月曜日(祝日の場合は開館)、4月21日(日)
    住所
    東京都中央区京橋1-10-1
    電話 03-5777-8600
    公式サイト http://www.bridgestone-museum.gr.jp
    料金
    一般 800円
    シニア(65歳以上) 600円
    大学・高校生 500円
    中学生以下 無料
    展覧会詳細 PARIS、パリ、巴里 ─ 日本人が描く 1900–1945 詳細情報
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