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    レポート
    「ラファエロ」展
    国立西洋美術館 | 東京都
    大量上陸した“美の規範”
    「日本におけるイタリア2013」の今年は、イタリア関係の大規模展覧会が目白押しです。先陣を切って、国立西洋美術館で「ラファエロ」展がはじまりました。
    ラファエロ・サンツィオ≪大公の聖母≫1505-06年 フィレンツェ、パラティーナ美術館
    ラファエロ・サンツィオ≪無口な女(ラ・ムータ)≫1505-07年(左) ウルビーノ、マルケ州国立美術館
    ラファエロ・サンツィオ≪自画像≫1504-06年 フィレンツェ、ウフィツィ美術館
    ラファエロ・サンツィオ≪聖セバスティアヌス≫1501-02年頃 ベルガモ、アカデミア・カッラーラ絵画館
    素描も出展。右手前はラファエロ・サンツィオ≪ムーサの頭部≫1510年頃 フィレンツェ、ホーン美術館
    ラファエロ・サンツィオ≪ベルナルド・ドヴィーツィ(ビッビエーナ)枢機卿の肖像≫1516-17年(左) フィレンツェ、パラティーナ美術館
    左の巨大なタペストリーは、ラファエロ・サンツィオ(原寸大下絵)、ピーテル・ファン・アールスト工房(織り)≪聖ステパノの殉教≫1517-19年 ヴァチカン美術館
    ジュリオ・ロマーノ(本名ジュリオ・ピッピ)≪聖母子≫1520-22年 フィレンツェ、ウフィツィ美術館
    グッズコーナーには、イタリアつながりでロディとのコラボグッズも。ラムネ入りベンダブルは650円
    ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並ぶルネサンスの三大巨匠、ラファエロ・サンツィオ。あまりにもビッグネームなだけに、その作品は所蔵する美術館にとっても“顔”といえる存在です。そのため、今までヨーロッパ以外で大規模なラファエロ展が開かれたことはありませんでした。


    第1章「画家への一歩」

    今回の展覧会は、フィレンツェ文化財・美術館特別監督局が全面協力。ウフィツィ美術館やパラティーナ美術館などのイタリア国内の美術館はもとより、ルーヴル美術館やプラド美術館などからも作品が集結しました。

    これまでの展覧会ではラファエロ作品が来日しても、せいぜい数点どまり。20点以上のラファエロ作品が揃うのは前代未聞で、驚くべき大規模なラファエロ展といえます。


    第2章「フィレンツェのラファエロ ─ レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとの出会い」

    会場構成は、ラファエロの画業を年代順に紹介する「画家への一歩」「フィレンツェのラファエロ ─ レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとの出会い」「ローマのラファエロ ─ 教皇をとりこにした美」と、ラファエロ工房の作家などを紹介する「ラファエロの後継者たち」の4章。油彩を中心に素描、版画、工芸など約60点が展示されています。


    第3章「ローマのラファエロ ─ 教皇をとりこにした美」

    本展最大の注目様品である≪大公の聖母≫は、第2章での展示。18世紀末にナポレオンに追われたトスカーナ大公フェルディナント3世が亡命先にも持っていった愛蔵品で、“聖母子の画家”ラファエロの代表作のひとつです。

    黒い背景でドラマチックな印象の作品ですが、実は背景は後年に塗りつぶされたもので、元々は室内の風景が描かれていました。背景との境界のキリストの頭髪も、後年の加筆。展覧会では、最新の科学調査による分析結果も紹介されています。


    ≪大公の聖母≫

    ルネサンスの三大巨匠を比較すると、ダ・ビンチは31歳上、ミケランジェロは8歳上。もっとも若かったラファエロですが、その生涯はわずか37年(ダ・ビンチは67歳、ミケランジェロは89歳で死去)。ちなみにラファエロは美男子で、過度の女好きが死因とも言われています。

    若くして亡くなったラファエロですが、その完璧な絵画は“美の規範”とされ、19世紀半ばまで画家の絶対的な手本でした。アングル、マネ、ルノワールなど、ラファエロ作品を慕っていた画家は、枚挙にいとまがありません。


    第4章「ラファエロの後継者たち」

    著名西洋画家の展覧会は珍しくなくなりましたが、これは別格。2013年上半期最大の注目展です。イタリアつながりでロディとのコラボなど、グッズも充実。国内巡回はせずに、国立西洋美術館だけでの開催となります。(取材:2013年3月1日)

    ラファエロの世界ラファエロの世界

    池上 英洋 (監修)

    新人物往来社
    ¥ 2,310

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon
    会場
    会期
    2013年3月2日(土)~6月2日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30〜17:30
    金曜・土曜日 9:30〜20:00
    ※「カフェすいれん」以外のミュージアムショップ等の館内施設の営業は開室時間と同じ
    休館日
    月曜日※ただし、4月29日、5月6日は開館。5月7日は休館。
    住所
    東京都台東区上野公園7-7
    電話 03-5777-8600
    公式サイト http://raffaello2013.com/
    料金
    【当日券】
    〈一般〉 1,500円 〈大学生〉1,200円 〈高校生〉800円
    【前売券 / 団体券】
    〈一般〉 1,300円 〈大学生〉1,000円 〈高校生〉650円
    ※上記の前売券は2013年1月7日(月)から3月1日(金)まで発売します(国立西洋美術館では2月28日(木)まで)。
    ※チケットの詳細はラファエロ公式ホームページをご覧ください。
    展覧会詳細 「ラファエロ」展 詳細情報
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